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南房総・体験レポート

南房総・体験レポート

すべては、一組だけのために。

 一日一組だけのために腕を振るう料理店がある。メニューはお客様好みの食材、味付けを丁寧に施した一夜限りのオリジナル。いすみ市の田園風景の中にある至福の隠れ家レストランを訪ねてみた。

田園地帯の異空間

 得てして都会の大人は隠れ家≠ェ好きらしい。ビル群の中にひっそりと佇む隠れ家レストランが、雑誌やTVでたびたび紹介されてはいるが、『食事処みしま』に比べたら、それは隠れ家風≠フレベルである。
 御宿駅から北へ向かって約5q。のどかな田園風景の中、誰がどう見ても普通の民家としか思えない住宅の玄関に小さな暖簾がかかっている。

 田んぼから聴こえてくるカエルの声を背に、引き戸を開け室内に入るとイメージは一変。着物を壁飾りにした和モダンな空間が広がり、右手には無垢の一枚板を大胆に用いたカウンター席が設けられている。光量を抑えた照明、障子の陰影、その洗練されたインテリアは、まさに都心の高級料理店そのもの。銀座か麻布十番に瞬間移動したかのようだ。

 オーナーシェフの丹羽由夫さんは、長年にわたり都内の高級ホテルの料理長を歴任。2008年より高級ステーキ懐石で知られた「銀座みやま」で腕を振るった後、2012年にいすみ市上布施で『食事処みしま』をオープンした。御宿で田舎暮らしを楽しんでいた母が高齢となり、介護が必要になったためこの地に移り住んだという。
 母の住居近くの空家を購入し、原型を留めないほど室内の大規模リフォームを実施。上質で落ち着いた懐石料理店へと生まれ変わった。

厳選されたオールスター食材

 温暖な気候に恵まれた房総では露地ものの野菜が一年中収穫でき、和牛や豚などの畜産も盛ん。猪などジビエの食材も容易に手に入る。地魚が豊富なのは言うまでもない。
 「これほど食材に恵まれたところが東京のすぐ近くにあったのかと正直言って驚きましたね。マグロは一度も冷凍されていない天然もの。イサキやカサゴなどの地魚は知り合いの釣り名人から譲ってもらうこともある」と丹羽さん。そんな房総産に加え、長崎県・壱岐島のアゴダシや五島列島のうどん、ロシア産のキャビア、フランス産のフォアグラなど、間違いのないこだわりの食材を独自のネットワークで仕入れている。

 「以前は幻の和牛といわれる壱岐牛を使っていたんですが、千葉県旭市の畜産農家で肥育された牛肉を試したところ遜色がなかった」と和牛のブロックを見せてくれた。絹糸のような繊細なサシは、口に含むとトロけるような食感だ。
 それらの吟味された食材が創作意欲を刺激し、次々にアイデアが湧いてくるという丹羽さん。工夫を重ねた料理を、「心おきなくゆったりと味わっていただきたい」と、一日一組限定という贅沢なスタイルに行き着いたという。

百人百様の嗜好

 取材にあたってオーダーしたのは『食事処みしま』の世界をつぶさに堪能できる特別懐石コース。「ずわい蟹とアボガドのカクテルキャビア添え」に始まり、猪のテリーヌ、地魚のお造り、ご飯のフォアグラ丼、魚介のポワレ、黒毛和牛のサーロインステーキ、そして「五島うどん あごだし」でしめる七品。初めて体験する美食のオンパレードであった。

 お客様一人一人の嗜好に合わせ、より美味しい料理を提供するために、丹羽さんは訪れたお客様の好きな食べ物や飲み物、苦手な食材や味付けをはじめ、誕生日や結婚記念日をノートに記録している。次の献立に活かすため、どんな表情で食べていたかなど細かに書き留めているので、ノートはすでに三十冊を超えているという。

 一組のお客様のためだけに、手間と時間をたっぷりかけた料理を満喫させてくれる『食事処みしま』。都内の高級割烹と見紛う上品な空間を文字通り独り占めできる。
 隠れ家≠ヘ本来ならば紹介するべきではないのかもしれない。素晴らしいものを見つけると誰かに伝えたくなってしまう性をお許しあれ。

取材協力

食事処みしま[完全予約制/1組8名様まで]
.0470-62-5569 営業時間/9時〜22時(月曜定休)

※3日前までにご予約をお願いします ※事前予約で御宿駅まで送迎可能

※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください

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