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南房総・体験レポート

南房総・体験レポート

身近な秘境
絶景!珍景?ふらり旅

 房総半島の内陸は想像以上に山深い。幹線道路から一歩中に入ると東京の隣県とは思えない秘境がある。心を打つ絶景、目を疑うような珍景…、一度見たら忘れない個性派スポットを紹介します。

白蛇伝説の名瀑「田代滝」

 まず立ち寄ったのは、夷隅川の支流・西畑川の中流にある「田代滝」。「ミレーニア勝浦」から「上総中野駅」方面に向かう県道177号線(勝浦上野大多喜線)を10qほど北上した道沿いに、「伝説の名瀑・田代滝」との案内板が立っている。

 案内板に従って県道脇の小径をゆっくり進んで行くと300mほどで行き止まりとなり、草刈りされた駐車場らしきスペースがある。
 この先は人ひとり通るのがやっとの山道で、足を踏み入れるのをためらってしまう。夏はヤマヒルが出るため虫除けスプレーを身体に吹き、長靴に履きかえ、いざ、草木が生い茂る樹林の中へ。
 「この先に本当に名瀑があるのだろうか。」半信半疑で進むと、薄暗い森の奥から滝の音が聴こえ、ほどなく渓流が見えてきた。  

 足場に注意しながら岸辺に下りると、滴るような深い緑のなか、岸壁をとうとうと流れ落ちる二筋の滝が忽然と現れた。高低差約9.5m。幅15m。夷隅水系随一の名瀑「田代滝」だ。樹木が空を覆い昼なお暗く、滝壺付近は周囲と隔絶された異空間。神秘的な空気に満ちている。
 「田代滝」が伝説の名瀑と呼ばれる由来は諸説ある。「滝壺に住む白蛇が美しい娘に姿を変え、若い木こりの精気を吸い取ろうとしていたが、和尚様に退治された」との昔話が看板に記されていた。
 古より語り継がれる滝が、県道から1qも離れていない場所にあるとは驚いた。

川が道の上を流れる?大戸の洗い越し

 次に向かったのは、以前、テレビの情報番組で紹介されたこともある「大戸の洗い越し(あらいごし)」。本来、橋とは川の上に架かっているものだが、洗い越しは川が道の上を流れているという。
 「上総中野」駅の駐車場に車を停め、いすみ鉄道のディーゼルカーに乗って最寄り駅の「東総元」へ。15分ほどプチ鉄道旅を楽しみ、駅から歩いて「大戸の洗い越し」へ向かう。

 のどかな里山風景の中を歩くこと約10分。細い農道を下っていくと、その先に川が流れ、なんと!コンクリート敷きの道が水の中へと延びている。川といっても山のせせらぎや畑の小川とは規模が違う。水量が多く川幅も広い夷隅川だ。しかも水量の多い時だけ水の中に姿を消す沈下橋ではなく、常時、川が道の上を流れているらしい。
 川を越える道は長さは30m近くあり、水深は5pから10p。一見、穏やかな川に見えるが、実際に足を踏み入れてみると勢いがあり流れも速い。地元の人は長靴履きで当たり前のように往き来しているようだが、不慣れな外来者が興味本位で渡ろうとすると、足元をすくわれかねない。

 それにしても洗い越しとは見事に言い当てたものだ。ザーザーと流れる水で足元を洗いながら川を越す、摩訶不思議な橋である。昔、増水時に流木などが橋桁を直撃し、大雨の度に橋が流されていたため、あえて橋を沈ませ、道の上を流木などが流れていきやすいように工夫したものだという。
 また一般車両は通行禁止だが地元の車は通行できるので、農家の軽トラックは日常的に川を渡っている。歴史遺産ではない。今も現役バリバリの「大戸の洗い越し」、これを珍景と言わずして何と言おう。

ミステリアスな二階建てトンネル

 房総の珍景はまだまだある。世にも不思議な二階建てトンネル≠ニネットで話題の「向山(むかいやま)トンネル」を紹介しよう。
 いすみ鉄道で「上総中野」駅へ戻り、車に乗り換えて向かった先は養老渓谷。旅館が軒を並べる温泉街まで車で約10分。釣り堀近くの有料駐車場に車を停め、南方向へ徒歩100m、奥養老バンガロー村へ向かう路地に入って足を止めた。烏帽子形の素掘りのトンネルが大きく口を開け、その奥には上下二つの出口。思わず“なんだこれ!”と声を上げた。

 トンネル内は薄暗く、でこぼこした素掘りの壁を蛍光灯が怪しく照らし、その先の二つの光明をミステリアスに演出している。
 もともと「向山トンネル」は二階出口の高さだったのだが、20mほど先の道路と接続させるために掘り下げ工事を行い、新たな出口が下に設けられた。その際、上部のトンネルを埋めなかったために、出口が上下二階建てのトンネルになったという。
 摩訶不思議な「向山トンネル」。これは「大戸の洗い越し」に勝るとも劣らない珍景だ。

太陽が恋しい?天井抜けトンネル

 そしてふらり旅の締めくくりに訪ねたのは、大福山から北へ下った山奥にある「月崎トンネル」。なんとトンネル途中の天井がポカンと大きく抜けているのだ。
 大福山の尾根道を下り、小湊鐵道「月崎」駅からほど近い「いちはらクオードの森」へ向かう。駐車場に車を置き、林道月崎1号線を歩いて西方向へ進む。道は舗装されているものの周囲に草木が生い茂り、まるでジャングル。万全なヒル対策を忘れてはいけない。

 切り立つ崖、むき出しの地層、頭上を覆う樹々…。野趣たっぷりの林道を20分ほど歩くと、密林に掘られた洞窟のような素掘りトンネルの前に出た。
 トンネルの中は暗いはずなのにキラキラ輝いている。5mほど奥に入ると天井がすっぽりと抜けており、車のサンルーフを全開にしたような感覚だ。房総半島には数え切れないほど素掘りトンネルがあるが、天井抜けとは珍しい。かなり昔の陥落で、このような形状になったそうだ。

 『ミレーニア勝浦』の西北に広がる房総丘陵から、絶景・珍景スポットをピックアップした今回のふらり旅。面白くて奥深い。名だたる景勝地にはないディープなワクワク感に満ちている。

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