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南房総・体験レポート

南房総・体験レポート

スクーターさすらい道中
海辺の街から奥房総の山里へ

 『ミレーニア勝浦』は、南東に太平洋を望み北西に清澄山系の森を抱く、海と森の自然に恵まれた別荘地。ヤシ並木が続く街並などマリンリゾートのイメージが強いが、背後の森側へ進むと、おおらかな里山風景が広がっている。海とはひと味違う自然の魅力を求めて、奥房総と呼ばれる山深い房総半島の真ん中へ、スクーターで出掛けてみた。

 日本は、山間部が国土の73%を占めている世界有数の山国だが、千葉県の平均標高は、なんとわずか45m。沖縄県の82mよりも低く、都道府県の中で最も低い。だが南房総の内陸は、低いながらも山が幾重にも連なり、とても深い。
 [ミレーニア勝浦]の北西に広がる清澄山系は、複雑に入り組んだ山間を清流が幾筋も流れ、とても清々しいと評判だ。そんな天然の清涼感に満ち溢れた清澄山系の懐へ、スクーターを走らせた。
 [ミレーニア勝浦]の山側の入口となる台宿から県道82号線を植野方向に進み、西原で左折。陽射しを浴びた稲や草の香り、やわらかな木洩れ陽…、のどかな里山の夏を感じながら走っていると、勝浦ダムの先のトンネルを出た道路脇に、 分校のそば屋[もみの木庵]の看板を発見。
 「こんな山奥にそば屋?分校?」早くも寄り道の誘惑に駆られ、看板方向に走っていくと昔懐かしい木造校舎が見えてきた。

究極の地産地消 大多喜産そば

 ここは、老川(おいかわ)小学校分校の廃校跡をそのまま活かしたそば処で、土・日の昼間限定で営業している。訪れた時間は開店したばかりの10時。昼食にはちょいと早いが早弁°C分でそばを食べることにした。
 暖簾をくぐり校舎に入ると、木の廊下、木製の引き戸や窓枠、黒板など、ここだけ時間が止まっている。
 老川小学校分校は昭和22年に開校され、過疎化が進み平成13年に廃校になってしまったが、ここでそば打ち体験教室をしたのをきっかけに、地元の方々が腕を磨き、平成16年に手打ちそばの店として復活したのだ。しかも、数あるそば屋の中で千葉県産のそば粉を使っている店は見たこともなかったが、[ もみの木庵]のそばは、地元・大多喜産のそばの実を使用し、石臼で自家製粉、清澄山系の地下水を使って手打ちしている純・大多喜産なのだ。そばの収穫量が限られているため、ほぼ地元で消費されてしまう幻のそばだ。

 そばの種類は、そばの実の中心部分だけを使う白いそばと、そのままのそばの実を挽いて作る黒い田舎そばの2種。今回は、大多喜産そばの実をまるまる味わえる田舎そばを注文した。豊かな香り、つるつるとした喉ごし、名だたるそばの産地に全く引けを取らない。小さな旅のスタートで、地元限定の稀少なそばを味わえるなんて、これは幸先が良さそうだ。
 もりそばを完食し、つゆにそば湯を入れて飲んでいると、「この先、どこへ行くの?」と、お店のスタッフに話しかけられた。特に行き先は決めずに、気ままに走っていると話すと、
 「だったら、[会所の森・親水広場]に寄っていきなよ。川沿いの遊歩道を散歩すると、涼しくて気持ちいいよ」と教えてくれた。

モリアオガエルが待つ神秘の森

 [もみの木庵]を後に、その先に伸びる鬱蒼とした杉林の中を駆け抜けて、[会所の森・親水広場]にやってきた。ここは、昨年公開された有村架純さん主演の映画『夏美のホタル』のロケ地になった場所で、「まるでジブリの世界」と話題になった君津にある[亀岩の洞窟]にも似た素掘りの洞窟がある幻想的な情景スポット。
 水際まで降りると、木洩れ陽に照らされた川瀬を泳ぐ小魚の姿がハッキリ見える、きれいな澄んだ水だ。麻綿原高原を源にした湧き水が、いくつもの小さな沢となってここに注ぎこんでいる。
 「この水が養老川を経て、やがて東京湾まで流れていくのか」と、その長い旅路に思いを馳せながら眺めていると、沢筋に何やら動くものが。近づいてみると、それは体長10p近くあろうかという大きなモリアオガエル=Bこの森の主かと思わせる風格を醸し出している。

 モリアオガエルは絶滅危惧種に指定されている希少生物で、最大の特徴はその生殖形態。水面の上にある樹の上で産卵し、卵塊の中でふ化したオタマジャクシは、雨を待って下の水面に落下する。清らかな水と森がなければ産卵できないことから、自然環境のバロメーターとされている。
 モリアオガエルという[会所の森]の主の歓迎を受け、沢筋の遊歩道を進んで行くと、その先に素掘りのトンネルがぽかんと口を開けていた。この洞窟のようなトンネルは、江戸時代から明治時代にかけて新田開発を目的に行われた房総特有の『川廻し』と呼ばれた河川工事で造られたもの。曲流する川をトンネルでつなぎ合わせて新しい水路を造成している。房総半島の山間部は砂岩が多く、トンネルを掘りやすかったことから、この『川廻し』が普及し、あちこちにこのような洞窟が見られる。しかし、トンネルを掘って川と川をつなぐとは、昔の人の発想には感服するばかりだ。

走るほどに発見がある房総丘陵の奥の細道

 [会所の森]で折り返し、再び養老渓谷方向へ向かって県道178号線を走っていくと、[滝見苑・ごりやくの湯]の前で[金神の滝]なる何とも御利益のありそうな滝の案内看板が目に入った。
 スクーターを駐車場に停め、川筋に下りると遊歩道が整備され、川面を渡る風がとても気持ちいい。マイナスイオンたっぷりの空気に包まれて進んで行くと、10分ほどで木の鳥居が立つ[金神の滝]の前に出る。この[金神の滝]は、10年前に川廻しのトンネル奥で発見された新しい名所で、落差は35m。房総随一の名瀑といわれる[粟又の滝]の落差30mを上回る。なかなかの見応えだ。これだけの規模を持ちながら10年前まで発見されなかったとは、房総内陸の山深さを物語っている。
 県道178号線沿いには、有名な[粟又の滝]や[昇龍の滝]などが点在し、滝巡り遊歩道が整備されているが、大型バスの観光客で混雑していたので今回はパス。そのまま直進し、老川十字路を左折。国道465号線に入り亀山湖方面へ向かってみた。

 国道465号線は、2車線の広い道路でとても走りやすい。先に進むとさらに道幅は広くなり、アスファルトの路面が真新しくなった。それもそのはずこの区間は、2013年に完成した新筒森トンネルと同時に開通したバイパス区間。しかしながらバイパスは長く続かず、新筒森トンネルを抜けるとその先はいきなり旧道で、山間に入るとやはり道幅も狭く、再び房総らしい?道となってしまう。しかしスクーターは道幅など、お構いなしで、やわらかな木洩れ陽の中を快走。森の空気を全身で感じられ、気持ちいい。

 七里川温泉への分岐点を過ぎ、小櫃川(おびつがわ)沿いに点在する集落の中を進んで行くと、次第に視界が開けてくる。曲がりくねって流れる小櫃川に幾つも橋が架かり、渡る度に眼下の川は幅を広げ、千葉県最大のダム湖である亀山湖に流れ込む。
 橋の傍らにスクーターを停め、亀山湖を見下ろすとたくさんのボートが浮かんでいる。亀山湖は、関東有数のブラックバスやヘラブナ釣りのフィールドで、体長60p・5sオーバーというモンスターバスが釣れることもあるという。

涼やかな亀山湖で味わう温泉&ジビエ

 朝、手打ちそばを食べてから約3時間。そろそろランチタイムにしようとお店を物色。
 「せっかく亀山湖に来たのだから、此処でしか食べられないものにしよう」と湖畔に点在する飲食店の中から選んだのが[湖水亭・嵯峨和]。地元の猟師が仕留めたイノシシ料理を、亀山湖を眺めながら味わえる。
 [湖水亭・嵯峨和]は、亀山湖を望む高台に建つ温泉宿だが、食事や日帰り入浴もできる。しかも食事をたのむと、入湯税の150円をプラスするだけで温泉に入れるのだ。料理が出てくるまでの時間を利用して、温泉に入ることにした。

 温泉の泉質はナトリウム炭酸水素塩泉で、ヨード分が多く美肌効果があり、肌をつるつるスベスベにしてくれるという黒湯。美容液に浸かっているようなヌルヌル感で、確かに肌に良さそうだ。
 緑の香りを乗せた風、満々と水をたたえた亀山湖の眺望…、開放感あふれる露天風呂を昼に満喫できるとは最高だ。

 温泉を堪能した後は、お待ちかねの猪鍋。自然豊かな清澄山系は、イノシシのエサとなるドングリが豊富で、脂がのったイノシシが育つといわれている。またイノシシ肉の味の決め手は、食肉加工する際の下処理。君津では、狩猟後素早く血抜きを行い、獣臭の少ないイノシシ肉を供給する体制が整えられている。
 [湖水亭・嵯峨和]の猪鍋は、四種の味噌を合わせた自家製ダレがイノシシ肉に染み込む深い味わい。ほどよく噛み応えがあり、噛むほどに旨みがじんわり。脂身はとろけるようにジューシーで、獣臭らしきものは感じない。味噌仕立てのスープが野菜や豆腐に染みこみ、ご飯が進む。

 海とはひと味違う自然の魅力を求めて、山深い清澄山系の山間を走ったスクーターの小旅行。大多喜産の手打ちそばに始まり、モリアオガエルの沢、洞窟、滝、湖、黒湯、野生の猪鍋を堪能し、大満足。亀山湖畔でのんびりくつろぎ、陽射しが翳りはじめた頃に帰路に着いた。
 [ミレーニア勝浦]から40qも離れていない場所に、心を満たすスポットが、次から次へと現れたスクーターさすらい道中=B気の向くままに、走って、停まって、歩いて、食べて…、さすらい小旅行の魅力は尽きない。

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