国道297号線の松野交差点を右折し、県道82号線で「ミレーニア勝浦」へ向かっている時、上野地区を通過中に『手打ちうどん』と書かれたのぼり旗が目に入った。地魚料理店が多い港町・勝浦で、うどん専門店とは珍しい。
のぼり旗に誘われ細い道を進んでいくと、田んぼの中に平屋の一軒屋「手打ちうどん 多吉」が建っていた。地元ではよく知られた人気店のようで、玄関先には『只今満席』の黒板。期待感がぐっと高まる。
10分少々待って席に着き、「天ぷらぶっかけうどん」を注文。揚げたての天ぷらがきれいに盛り付けられた椀が運ばれてきた。
つゆは、関東ではあまり見ない透明感のある薄口醤油のつゆ。すすってみると鰹節の出汁が効き、さっぱりとしていながら味わい深い。レモンを搾るとさらに爽やかさが増し、まだまだ残暑が厳しい初秋にぴったりだ。
うどんの麺は、モッチモチ、シコシコ、ツルンツルン!なめらかでコシがあり、噛むほどに小麦の豊かな風味が口中に広がる。これはうまい!!
「手打ちうどん 多吉」は、四国の讃岐うどん、群馬の水沢うどん、紐皮うどん、山梨の吉田うどんなど、日本の名だたるうどんを食べ歩いてきた店主の瀧口さんが、“うどん好き”の経験をベースに勝浦の人に好まれるうどんを追求しているお店で、麺を毎日店内で手打ちをしている。
打ち立て、茹で立ての自家製うどんを、さっぱり薄口のつゆでいただく幸せ。地元のとれたて野菜と肉厚の海老をカラッと揚げた天ぷらも、うどんとの相性抜群。おすすめです!