数年前に、SNSやTVなどでジブリっぽい神秘的な写真スポットとして紹介され、今や南房総有数の観光スポットになった“濃溝の滝”。
休日に何度か近くまで行ってみたが、県外から観光客がどっと押し寄せ、パーキングは満車状態。駐車場待ちのクルマがずら〜と並んでいたので、諦めて帰ってしまった。
そこで冬の平日なら空いているだろうと思い、遅ればせながら“濃溝の滝”へ出掛けてみた。
「ミレーニア勝浦」から国道128号線を南下し、鴨川市街で木更津方面へ右折。“濃溝の滝”は、鴨川有料道路の料金所を抜けた先にある笹川湖畔公園(清水渓流公園)という公共の公園内にある。
駐車場は、休日ほどではないもののクルマが何台か停まっており、大型観光バスもやってきていた。
公園の入口にはやたらと看板が立っていて、のぼり旗には“亀岩の洞窟”の文字。
看板の解説文を読んでみると、SNSやTV で「ジブリの世界みたい」と紹介された“濃溝の滝”は、実は“亀岩の洞窟”のことらしい。SNSで “亀岩の洞窟”の写真が、“濃溝の滝”というすぐ近くにある滝の名称で拡散してしまい、誤った名称が定着してしまったという。
駐車場から“亀岩の洞窟” まで約300m。きれいに整備された森のなかを歩いていくと展望台のような場所があり、そこから洞窟を見下ろすことができる。
洞窟の岩には、その名の由来となった亀の甲羅のような紋様が浮かび上がり、確かに神秘的だ。
古来より甲羅の紋様は吉兆を表す図形と言われているからなのか、「幸福の鐘」なるものが設けられていた。
清流まで下りてみると、森のなかにぽかんと空いた洞窟が目の前に現れ、「SNSやTV で見た写真と同じだ」となぜか感動。
休日は、インスタ映えする写真を撮る人たちで混み合っているらしいが、冬の平日は人もまばら。
静寂に包まれ、階段状の岩の上をさらさらと流れてくる水の音色が森に染み渡り、洞窟の向こうに心が吸い込まれていくようだ。
今回は昼過ぎに訪ねたので見られなかったが、案内看板によると洞窟の向こう側から陽が差し込む朝は、ジブリの世界のような幻想的な風景が広がるらしい。次回は朝早く出て、光輝くジブリの世界を体感してみよう。