ライフスタイル/南房総・体験レポート

「ミレーニア勝浦」を拠点に、楽しむ!味わう!くつろぐ!体験レポートをお届けします。
海辺の暮らしならではのライフスタイルに触れてみてください。

■レポート一覧

  • 1│船釣り万歳!
  • 2│シーカヤック体験
  • 3│美味!天日干し
  • 4│路線バスの旅
  • 5│痛快!防波堤釣り
  • 6│体感!定置網漁
  • 7│探訪!老舗酒蔵
  • 8│房総産・天然伊勢海老
  • 9│南房総で、春を先取り!
  • 10│旧国道、絶景めぐり
  • 11│SUPで海上散歩
  • 12│大多喜、心の旅。
  • 13│さすらい海岸通り
  • 14│生きた水、 久留里。
  • 15│奥房総の山里へ
  • 16│カフェin 勝浦
  • 17│『八犬伝』の舞台へ
  • 18│人工衛星と対話する勝浦
 
Vol.17

房総半島横断、勝浦→安房富山『南総里見八犬伝』の舞台へ。

南房総を舞台にする物語で有名なのは、なんといっても『南総里見八犬伝』。
江戸時代後期の作家・滝沢馬琴が1814年から28年もの歳月をかけて著した、
全98巻大長編SFファンタジー物語で、今でも映画やTVドラマ、人形劇、
ゲームなどのモチーフになるほど親しまれている名作だ。
その八犬伝の舞台となった南房総市・富山まで[ミレーニア勝浦]から約45km。
スークターに乗って、のんびり寄り道しながら海から山への房総横断の旅に出た。

 

沖を見ろ、群れを追え、魚見塚展望台。

 [ミレーニア勝浦]を出発し、小さな漁港が点在する小湊の海岸沿いを走り、南国リゾート風景が広がる鴨川周辺を通り抜けると、急に道は勾配のきつい登り坂となり、嶺岡トンネルへと続く。
 トンネルを抜けてすぐに左折すると、海抜110メートルの高さから南房総〜太平洋をぐるりと一望にする[魚見塚展望台]がある。その昔、漁師たちは、ここから沖合にやってくる魚群を見つけ漁に出たのだ。海の彼方から魚群が迫ってくる様は、どれほどダイナミックで心躍る光景だったのだろうか。想像だけでわくわくする。

豊かなる安房の国、水田大臣生誕地。

 しばし海の男のロマンに浸り、いよいよ安房の山岳地帯へと向かう。
[魚見塚展望台]から再び県道89号線へ出て[八犬伝の里]・岩井方面に走ると、しだいに道幅が狭く山深くなってくる。
 対向車に気をつけながら進んで行くと、[水田大臣生誕地入口]の標注を発見。
 水田大臣とは、高度経済成長期に大蔵大臣を歴任した日本屈指の財政家・水田三喜男(みずたみきお)氏のことで、この生誕地には江戸時代後期建築の母屋と明治時代初期建築の長屋門が修復保存され、国の登録有形文化財として一般公開されている。重厚かつ堂々たる建物は、いかに当時の安房の国が実り豊かな土地であったのかを静かに物語っている。

里見氏ゆかりの嶺岡牧場、千葉県酪農の里。

 [水田大臣生誕地]を後に、県道89号線をさらに進むと国道410号線との合流付近に[日本酪農発祥地]がある。
 我が国の酪農は、江戸幕府の直轄地であった嶺岡牧場に8代将軍徳川吉宗が白牛を放牧したのが始まりとされている。現在は[千葉県酪農の里]の施設が建ち、放牧されたヤギや牛と触れ合えるファミリー牧場だ。実はこの嶺岡牧場、戦国時代に安房の国主であった里見氏が軍馬育成を目的に創設した牧場。いよいよ[八犬伝の舞台]に近づいている期待感で、わくわくしながら売店の濃厚牛乳を味わった。

南総に里見氏あり、平群天神社。

 さて、里見氏ゆかりの嶺岡牧場で一休みした後、再び県道89号線を岩井へ向かった。
 緩やかなアップダウンが続く田園風景を走っていると、正面に房総らしからぬ鋭い岩峰が現れた。奇岩の頂であるこの山は[伊予ヶ岳]で、「房総のマッターホルン」「安房の槍ヶ岳」などと称されている。伊予ヶ岳の麓に鎮座する平群天神社(へぐりてんじんじゃ)の拝殿を望むと、鋭い岩峰を背に荘厳な光景だ。
 案内板によると、平群天神社は1353年に京都北野天神に勧請して創祀、1586年に里見義頼の命で本殿が改築されている。ここにも南房総に里見氏あり、と存在を示している。

夢か現か、時空を超え佇む八犬伝の里。

 『南総里見八犬伝』の舞台・富山は、伊予ヶ岳からほど近い。
 県道を隔てた向かい側を望むと、なだらかな二つの峰をもつ穏やかな姿の富山がみえる。県道89号線から脇道へ入り県道258号線に合流。右に富山を眺めながら走り、富山中前の交差点を右に。そこからは急に道幅が狭くなり、鬱蒼とした薄暗い樹林の中をひた走る。

 物の怪の世界に引き込まれるような不気味な気配を背中に感じながら進んで行くと、突如現れたのは、「伏姫籠穴」の門塀だった。まるで狐につままれたようにその門をくぐった。すべてが妖気に覆われているようだ。
 山の斜面に沿って階段があり、深い森へと続いている。
 長い階段を上りきると、突如八角形の大舞台が現れた。8本の柱には八犬士の名が刻まれた珠が乗っており、まさにそこは伏姫から八つの珠が放たれた場所という設定なのだ。

 さらに石段を上がった先には、伏姫と霊犬八房が暮らした籠穴があり、中には「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の数珠玉が妖気を放つ。
 『南総里見八犬伝』は完全なるフィクションのはずなのに、まるでそこは、歴史的遺構であるかのような佇まいだ。

 史実によれば、『南総里見八犬伝』のモチーフとなった里見氏は、戦国時代に安房の国で君臨した後、江戸時代には改易・断絶の憂き目に遭い悲劇の最後を遂げる。
 その里見氏の怨念が、「忘れるな」と馬琴の筆をも動かし、『南総里見八犬伝』の物語の世界で脈々と生き続けているのかもしれない。
 なんとも不思議な世界を味わった。
 のんびりのどかな旅のはずが、締めくくりは「壮大な歴史ファンタジーの世界」だった。旅に出ると発見がある。南房総は、ますます奥が深い。

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