ライフスタイル/南房総・体験レポート

「ミレーニア勝浦」を拠点に、楽しむ!味わう!くつろぐ!体験レポートをお届けします。
海辺の暮らしならではのライフスタイルに触れてみてください。

■レポート一覧

  • 1│船釣り万歳!
  • 2│シーカヤック体験
  • 3│美味!天日干し
  • 4│路線バスの旅
  • 5│痛快!防波堤釣り
  • 6│体感!定置網漁
  • 7│探訪!老舗酒蔵
  • 8│房総産・天然伊勢海老
  • 9│南房総で、春を先取り!
  • 10│旧国道、絶景めぐり
  • 11│SUPで海上散歩
  • 12│大多喜、心の旅。
  • 13│さすらい海岸通り
 

 

旨味極まる、天日干し。

昔も今も、勝浦の特産品の代表格は、魚の干物。
おみやげ店の主役である。
勝浦式タンタン麺の人気が高まったと言えども、干物の人気は不動だ。
早朝の海風にさらす、天日干しの加工場を訪ねてみた。

 

 勝浦で食べる干物は、美味い。流通網が確立し、日本全国津々浦々、どこに居ても干物が食べられる時代にはなったが、港町で食べる干物は格別だ。勝浦の旅館に泊まり、朝食の干物の美味しさに感激する人も多い。 
 長さ二十p以上あるアジの開きは、脂がジュージューと滴り、香ばしい匂いが食欲をそそる。昔、海水浴場の民宿で食べた干物も、確かこんな感じだったような…。土産物ではなく、旅館や民宿で出している干物は、どこか一味違うのだ。
 そこで美味さの秘訣に迫るべく、主に地元旅館・民宿向けの干物を作っている『日方商店』へ出向いてみた。

いつもの美味しさを、いつものように

 『日方商店』は、かつて勝浦で民宿を営んでいた女将さんから紹介された水産加工場で、地元の常連客に干物を販売している家族的なお店。知る人ぞ知るお店らしく、大々的な宣伝活動はもちろん、店先に”干物直売“といった看板すら出ていないので、あやうく店の前を通り過ぎてしまいそうになった。
 木造二階建の加工場は、天井の太い梁に歴史が刻まれ、昭和の風情が漂っている。干物づくりが始まる午前5時過ぎに伺うと、すでに日方はまえさんたちが、一畳半ほどの大きな作業台でアジに包丁を入れていた。製法は昔ながらのもので、一枚一枚丁寧に手開きしている。大掛かりな機械を導入した大量生産の干物工場とは一線を画すものだ。一枚ずつ包丁でワタやエラを抜いたアジは流水にさらして血抜きし、身に残っている血合などをブラシで削ぎ落とす。そして塩水に漬け込み、味を整えるのだが、この塩加減と漬け込む時間が干物の味を左右する要。塩の銘柄、産地、配合も、それぞれの店に特徴があるらしい。
 『日方商店』では、もともと魚本来の風味を損なわないために塩は控えめだったというが、健康志向の高まりを受け、最近はさらに減塩傾向にあるという。製法は昔と同じでも、味は時代の嗜好に合わせている。
 塩水に漬け下味を整えた魚は、再び流水にさらして塩気を抜き、金網のセイロに並べ乾燥工程へ。勝浦漁港の岸壁に運び、天日でじっくり干しあげる。陽射しや風、気温、季節によって乾燥させる時間を変えることで、ふっくらと旨味が凝縮した干物に仕上がるという。時間の目安となるのは長年の勘。マニュアルなどはない。勝浦漁港の岸壁は、昔から干物の乾燥場所として用いられ、海水浴場が活況を呈していた昭和四十〜五十年代は、民宿に納める大量の干物をつくるため、干物のセイロで岸壁が埋め尽くされ、地面が見えないほどだったそうだ。
 今では、干物加工の効率化や夏のレジャースタイルの変化を受け、かつての勢いはないが、『日方商店』では昔と何ら変わること無く、手間と時間をかけた干物づくりが続けられている。
 「いつもどおりの干物づくりを、いつもどおりに行ってきただけ」と日方さんは言うが、いつもの按配が染み込んだ熟練の技を、時代の波に飲まれることなく活かし続けてくれたことが、実にありがたい。

塩、海風、光が育む純・天然の干物の旨味

 では、干し上がって間もないアジの開きを焼いてみよう。コンロで火にかけ、ほどなくするとジュウ〜ジュウ〜と魚の脂が滴ってくる。 香ばしい匂いが辺りに漂いはじめ、お腹の虫は大騒ぎだ。
 アジの背は、パチパチと皮が弾け、ひっくり返すと褐色の表面を脂が覆い、実に艶やか。さっそく箸を入れると脂がジュワァ〜と溢れでてくる。食感はふんわりしているが、天日にさらすことで肉質が引き締まり、噛むとアジの旨味がじんわりと口中に広がる。これは、美味い!理屈抜きで美味い!味がギュッと詰まったホックホックの美味さ!加えてすこぶるジューシーなのだ!
 日方商店の天日干しは、化学添加物を加えていないのはもちろん、味付けも塩のみ。最後の仕上げは、太陽と海風だ。太陽光に照らされることで旨み成分のアミノ酸やグルタミン酸が多く生成され、栄養価が高まるといわれている。さらにミネラルをたっぷり含んだ海風にさらすことでビタミンDも豊富になり、カルシウムの吸収を助けてくれるらしい。毎日、天日干しの干物を食べていたら健康を維持できるかもしれない。
 これぞ一挙両得。魚の天日干しが、ますます好きになってしまった。今回は、干物の代表格としてアジにスポットを当てたが、勝浦では、エボダイ、カマス、サンマ、アカウオ、サバ、キンメ、イカなど多種多彩な魚種が天日干しされている。食べ比べに忙しくなりそうだ。

 

取材協力/日方商店有限会社

創業昭和2年。勝浦で80年以上におよび水産加工業を営む日方商店。一般客の小売りにも応じてく れる。大きい声では言えないが、製造直売だけに価格が驚くほどリーズナブル。安心して普段使いに できます。

TEL 0470-73-0618 FAX 0470-73-0209 勝浦市浜勝浦59番地 

 

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